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US配列キーボードの遍歴 2012-2026:Apple Keyboard から HHKB、Keychron、Cidoo V75 まで

3行まとめ#

  • 2012年から現在まで、US配列のキーボードを7台乗り換えてきました。その記録です
  • HHKB Pro → Keychron K6 → Keychron K8 Pro → Niz → Cidoo V75 という流れで、途中でフレーム塗装や静音化などのModにハマりました
  • 静音化はやりすぎると失敗します。音のフィードバックが消えると、仕事をしている感覚まで消えます

なぜキーボードにこだわるのか#

ソフトウェアエンジニアの仕事道具のうち、いちばん長い時間ずっと手が触れているのがキーボードです。

1日8時間、年間240日働くとして年間1,920時間。3年使えば5,760時間になります。3万円のキーボードを3年使うと1時間あたり約5円、ひと月あたり約830円です。毎日缶コーヒーを1本買うより安い。

それだけの時間を過ごす道具なので、小さな不満がそのまま生産性に効いてきます。

  • キーの位置が悪いと、押し間違いのたびに思考が中断される
  • 指が無理な形に曲がると、手首と肩に確実に効いてくる
  • 打鍵音が気になると、集中が切れる

逆に言うと、椅子・モニター・キーボードの3つは投資対効果がいちばんわかりやすい部類です。椅子とモニターについては別の記事にまとめました。

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なぜUS配列なのか#

記号をブラインドタッチできるようにするためにUS配列を使っています。JIS配列は右上あたりに記号が多すぎて混雑していて、ブラインドタッチができません。

プログラミングでは記号を大量に打ちます。{} [] () <> | & _ あたりを見ないで打てるかどうかは、コードを書く速度に直結します。

もうひとつの利点は、海外で発売されている面白いキーボードをそのまま使えることです。カスタムキーボードの世界はUS配列が前提なので、キーキャップセットも選び放題です。JIS配列だと選択肢が一気に狭くなります。

2012年〜2020年:Apple Keyboard#

これはかなり長かった気がします。AppleのKeyboardです。最初はUSB接続でしたが、途中からBluetoothになりました。

長年使ったApple Keyboardの英語配列モデル

定期的に飲み物をこぼして接触不良になるので、数年に1回は買い替えていました。

薄型なので打鍵感を語る対象ではありませんが、配列としては素直で、8年間これで困りませんでした。

現行モデルはMagic Keyboardです。

2013年頃:Kinesis#

高かったけれどKinesisを買って試してみました。

Kinesis Advantageのくぼんだキー配置

普段の使用感に合わなかったので、すぐに売却しました。手にフィットしなかったのが理由です。

エルゴノミクス系は合う人には劇的に合うらしいのですが、私はダメでした。こればかりは試さないとわかりません。

2021年4月:HHKB Professional#

動機は忘れましたが、Covid-19でガジェットにこだわるブームが自分の中に到来したのと、キーボードカスタムのブームが来たのが重なりました。まずは登竜門ということで、既製品で高級なHHKB Proを購入しました。かっこいいからという理由で無刻印です。基本的に問題ありません。

無刻印・墨のHHKB Professional

真っ黒すぎてアクセントがないので、一部のキーキャップを追加で買ってスワップしたりしていました。

escとcontrolのキーキャップを青と赤に交換したHHKB

不満点:Fnキーとキー数#

しかしながら根本的なところで、Fnキーの位置が気に入りません。しかもキー数が少ないことを不満に思うようになり、耐えられなくなってきました。

矢印キーもファンクションキーも独立して存在しないので、Fnキーを押しながら操作しないといけません。IMEでの変換時にファンクションキーをよく使うので、これが結構辛いです。Google IMEの変換精度が良くないのが根本的な問題ではありますが。

物理的にコンパクトなのでデスクトップのスペースが無駄に使われないのは良い点です。

よくわからないけれどゴミはたくさん溜まります。

キーキャップを外すと大量のゴミが溜まっていたHHKB

このあたりの掃除とルビングについては別記事に書きました。

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あと、キースイッチが交換できないのがつまらなくなってきました。VIAに対応していないのでマクロを作れないのも不満に感じてきました。

2024年2月:Keychron K6(65%)#

巷を見回してみると、HHKB Proと同じような機能のキーボードが半分以下の値段でたくさん発売されていました。しかもVIA対応です。

まずはHHKB Proと同じようなキー数で、安い系列のモデルを買ってみました。Keychron K6、65%モデルです。

Keychron K6の65%レイアウト

値段と重さはとても良い。だけど、打鍵感がちょっと安い感じなのと、Enterのすぐ右にキーがあって押し間違いが多くなる。ここまでキツキツに詰めないでほしいです。しかもそのキーがPgUpとPgDnなので、押し間違えると画面が飛んでいって辛い。

VIA対応ですし、キーボードのFnキーが2つあってキーアサインのレパートリーを多く取れるのは良い点です。

スイッチの交換もしてみました。

Keychron K6のキースイッチを交換している様子

フレームを塗装したら高く売れた#

オリジナリティを出すために、フレームをメタリックブルーで塗ってみました。これはとてもかっこよくなりました!

WRブルーマイカで塗装したKeychron K6のフレーム

Enterのすぐ右にhome/page up/page downが並んでいるK6のレイアウト

この写真、Enterのすぐ右にhome、page up、page downが並んでいるのがよくわかると思います。これが押し間違いの原因です。

塗装の完成度が高かったので、メルカリに出品したら買った値段よりだいぶ高く売れました。

塗装の手順は英語で別記事にまとめてあります。

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ちなみに、秋葉原のヨドバシにはKeychronをたくさん試せるコーナーが設置されていたりもしました。

秋葉原ヨドバシのKeychron試打コーナー

2024年3月:Keychron K8 Pro(80%)#

65%モデルではファンクションキーがないので、もう少しサイズが大きいモデルを検討するためにKeychron K8 Proを買ってみました。80%モデルです。

Keychron K8 Proの80%レイアウト

LEDで光るし、良い感じです。

LEDが光るKeychron K8 Pro

キー数は良い感じなので、いろいろカスタマイズをしてみることにしました。ここから先の作業は動画にもまとめてあります。

フレーム塗装#

まずは定番のフレーム塗装です。かっこよくなりすぎないように地味な色にしてみました。キーキャップに合わせてマット処理です。

マット塗装したKeychron K8 Proのフレーム

静音化とルビング#

スイッチがうるさいので静音化します。

キースイッチを分解して静音化している様子

グリスも塗布します。

スイッチにグリスを塗布している様子

グリスはGPL 205G0が定番です。ブラシ付きのキットが便利でした。

自宅用とオフィス用に2台購入してModをいろいろ試しました。オフィスは迷惑にならないように静音化して、自宅のは打鍵感の気持ちよさを優先する、といった感じでカスタマイズしています。

ベースプレートも塗装#

ベースのパネルも塗装してみました。スプレー代が高いので、メルカリで少し余っているスプレー缶の詰め合わせセットを買って塗装していました。なので、好みの色というより「適当な人気のない色で塗装」という感じです。

塗装したベースプレートにスイッチを取り付けた状態

アメリカ空軍っぽい色で塗装したりもしました。

アメリカ空軍っぽい色に塗装したKeychron K8 Pro

このときに、キースイッチを一通りの種類買って試したり、ルビングをいろいろなグリスで試したり、ベースのプレートにマスキングテープを貼ったりして、Modをいろいろ試していました。

スイッチやグリス、工具が散らかった作業風景

キーキャップの取り外しには引き抜き工具が必須です。

PBTキーキャップは効果なし#

PBTキーキャップのほうが打鍵感が良くなって静かになるという噂があったので、高いけれど買ってみました。しかし変化なし。。。悲しい。

購入したPBTキーキャップのセット

台形のキーキャップが合わなかった#

使っていて不満なのは、この機種は台形のキーキャップだという点です。上辺の長さが短くなることによって打鍵できるエリアが狭くなるので、正確な打鍵が求められます。これが面倒になってきました。

静音化をやりすぎた#

そして、静音化Modをやりすぎてしまって全然音がしないキーボードを作り上げてしまいました。

今度は逆に音のフィードバックがなくなってしまって、打鍵感とか仕事をしている感がなくなって物足りなくなってしまいました。静音化はやりすぎるものではない、ということを痛感しました。

2024年3月:Niz も試してみる#

Keychronにはもう私の求めるものがなさそうなので、いろいろさまよいます。

Nizを買ってみましたが、Keychron K6と同じようにEnterのすぐ右にキーがあるのが問題でした。その他は良いのですが。

NiZ Atom68のレイアウト

静電容量無接点方式でキー荷重35g、専用ソフトでキーマップを変更できるので、スペック的には良いキーボードです。配列だけが合いませんでした。

2024年4月〜現在:Cidoo V75#

Amazonで偶然セールで安くなっていたCidoo V75を購入しました。

項目Cidoo V75
マウントガスケットマウント
キーキャップPBT
スイッチホットスワップ対応
接続Bluetooth 3台 / 独自無線 / USB-C
カスタマイズVIA対応
その他ダイヤル、LED
重量約2kg
購入価格15,240円(新品)

なんとこの内容で15,240円でした。当時のキーボードに対する嗅覚はかなり高かったと思います笑

キーキャップが最初からPBTなのも地味に効いています。K8 Proのときにわざわざ高いPBTキーキャップを買って「変化なし」と落ち込んだのは何だったのか、という感じです。

唯一の難点はカラーが1つだけしかないことです。しかもレトロな感じでダサい。塗ってしまえばよいのですが、もう塗る元気もありません。

Cidoo V75の75%レイアウトとダイヤル

スペック表に書いた約2kgという重量は、実際に持つと想像以上に効きます。凶器です。オモリです。ダンベルです。会社に持っていくのがちょっと億劫でした。

Cidoo V75を斜めから見たところ

しかしながら大きな不満点はないので、会社用はスイッチを静音のものに入れ替えて使っています。

レビュー動画もあります。この動画の言う通りっす。

逆に、V75にないもの#

良いキーボードですが、2026年の目線で見ると載っていない機能もあります。

機能補足
ラピッドトリガー / 磁気式スイッチ通常のメカニカルスイッチです。2024年以降のゲーミング系トレンドには乗っていません
QMK対応VIAでの設定のみです。KeychronのPro系はファームウェアを自前でビルドできますが、こちらはできません
ディスプレイ小型のTFT画面を載せた製品が増えましたが、V75にはありません
高ポーリングレート(8000Hz)1000Hz級です

とはいえ、私の用途ではどれも使いません。プログラミングと日本語入力にラピッドトリガーは要りませんし、マクロもVIAで足ります。ディスプレイに至っては何を表示するのかもよくわかりません。

V75は現在Amazonでは見当たらないので、同じシリーズのV87を貼っておきます。

まとめ#

14年で7台。振り返ると、買い替えの理由はだいたい次の3つでした。

理由該当機種
配列が合わない(Enterの右にキーがある)Keychron K6、Niz
キー数が足りないHHKB Pro、Keychron K6
いじれない(スイッチ交換不可、VIA非対応)Apple Keyboard、HHKB Pro

打鍵感より先に配列とキー数で脱落することがほとんどでした。カスタムキーボードというと打鍵感の話になりがちですが、実際に毎日使うと効いてくるのはレイアウトのほうです。

そして、Modは楽しいけれどやりすぎると本末転倒になります。静音化しすぎて無音になったキーボードは、快適どころか物足りないだけでした。

現在のCidoo V75には大きな不満がないので、しばらくはこのままで落ち着きそうです。重いですが。

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