和田眞治氏(日本瓦斯・ニチガス元社長)追悼 | DX推進の名言集

日本瓦斯(ニチガス)の和田眞治(わだ・しんじ)元社長が、2024年12月29日に呼吸不全のため逝去されました。享年72歳。
約10年にわたり仕事とプライベートの両面で関わりのあった和田氏から直接学んだことは、私の価値観に大きな影響を与えています。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)推進と業界変革に関する数々の名言は、本質を捉えた言葉として今も心に残っています。
和田眞治氏について
経歴概要:
- 1952年: 島根県生まれ
- 1977年: 日本瓦斯(ニチガス)入社
- 2005年: 社長就任
- 2022年: 会長就任
- 2024年12月29日: 逝去
主な功績:
- ニチガスをガス会社からエネルギーソリューション企業へ転換
- フルクラウド型基幹システムの構築
- 「DX銘柄」6年連続受賞、「DXグランプリ2022」受賞
- モットー: 「同じ成功は繰り返さない」
名言集(20選)
和田氏が残した言葉は、DX(デジタルトランスフォーメーション)重視と業界変革の積極推進という経営哲学を象徴しています。特に、**「変革に挑戦しないことこそリスク」**という言葉は、和田氏の思想の核心と言えるでしょう。ここでは20の言葉をテーマごとに整理して記録します。
変革とリスクへの姿勢
現状維持こそが最大のリスクだと捉える姿勢が、繰り返し語られています。
- 「変革に挑戦しないことこそリスク」
- 「同じ成功は繰り返さない」
- 「リスクを取ったものだけがイノベーション創出のスタートラインにつける」
- 「今まで通りを一生懸命やるのはリスクをとらない“なまけ癖”」
自由化と新しいサービス
エネルギー自由化を脅威ではなくチャンスと捉え、異業種との連携で新しいサービスを生み出そうとする視点です。
- 「電力・ガス全面自由化をチャンスととらえて、価格とサービスの両面で業界に革新をもたらしたい」
- 「いずれ日本もガスと電気の垣根がなくなると確信した」
- 「異業種とも連携し、革新起こす」
- 「多様な関係者が知恵を持ち寄ることにより、これまでになかったサービスが可能になる」
- 「画一的・標準的ではない、新たなサービスが求められている」
DXと現場
DXは目的ではなく、現場が効率的に動くための手段であるという実践的な視点が貫かれています。
- 「テクノロジーを駆使できない企業は容赦なく淘汰される時代がやってくる」
- 「デジタル変革(DX)を避けることはできない」
- 「最前線の営業が効率的に動けるようにするためにデジタル技術はあるべきだ」
- 「(前略)スマートフォンでユーザーの家のメーターのQRコードを読み込むと、クラウドのデータセンターに飛んで、検針、伝票処理、集計などがリアルタイムにできる」
- 「レポートを即座に自動で作ってくれるので、会議の回数が格段に減った」
- 「デスクトップは、結果を閲覧するだけ」
エネルギーソリューションへの構想
ガスの小売にとどまらず、エネルギーの最適利用を提案する事業への転換を見据えた言葉です。
- 「電気とガスをセットにして、エネルギー版のスマートシティを実現したい」
- 「エネルギーの小売事業から、DXを軸にエネルギーの最適利用を提案する『エネルギーソリューション事業』への転換を進める」
- 「AIによってコミュニティ全体のエネルギー利用を最適化する『スマートシティ構想NICIGAS 3.0』を目指している」
- 「Web3.0時代のエネルギーソリューションを提供できる入口に立ったところといえる」
- 「ガス会社からエネルギーソリューション事業へ突き進む改革の現在地」
タイムライン
1986(頃): アメリカのエネルギー市場を調査中に、エネルギー自由化の進展に気づき、日本でも同様の傾向を予測。
1997: 日本でLPガス市場の自由化が開始。和田氏率いるニチガスは、積極的な価格引き下げ戦略を採用し、業界内で「暴れん坊」と呼ばれる。
2000年代初頭: ニチガスは基幹システムの刷新に向けた準備を開始。エネルギー自由化の動向により、システムに対するより複雑でリアルタイムな要求が発生したため、その動きが加速する。
2005: 日本瓦斯の社長に就任。物流改革と業務のクラウド化に注力。
2008: ニチガス、フルクラウド型の基幹システムへの刷新に着手。マイクロサービスアーキテクチャとAPI戦略を採用。
2015年10月: 東京電力(TEPCO)とニチガスが業務提携を発表。
2015年12月上旬: 和田氏と小早川智明氏(東京電力エナジーパートナー社長)が合弁会社設立の方向性を確認するために会談。
2015年12月下旬: 和田氏、出資比率に関する意見の相違から、東京電力との合弁計画から撤退。
2016(頃): ガス小売自由化を翌年に控え、和田眞治氏への初のインタビューが実施される。ニチガスが主要なプレーヤーとして期待されている。
2016年5月: ニチガス、都市ガスの供給元を東京ガスから東京電力エナジーパートナーに切り替えると発表。東京電力との当初の合弁計画は崩壊。
2019年3月: ニチガスの社長として、ガートナーのサミットで同社のフルクラウドベースのシステム刷新について、またDXのためにレガシーシステムを破棄することの重要性について講演。
2021: ニチガス、経済産業省と東京証券取引所が選定する「DX銘柄」を6年連続で受賞。
2022年5月: 日本瓦斯の社長を退任し、会長に就任。コーポレート本部長(代表取締役専務執行役員)を務めていた柏谷邦彦氏が新社長に、東京電力出身の吉田恵一氏が代表取締役に就任。
2022: ニチガス、「DXグランプリ2022」を受賞。
2023年1月: 「NICIGAS 3.0」計画に関する記事が発表される。ニチガスはエネルギー小売事業から、DXに焦点を当てた「エネルギーソリューション事業」へと移行している。
2024年1月: 企業が淘汰されないためには新技術を活用する必要があるという自身の見解や、エネルギーを基盤としたスマートシティに関するニチガスの計画について語る。
2025年2月10日: 和田氏の死去が報道される。
NOTE同じ読みの「和田真二」氏(株式会社フィールドマネージメント・ヒューマンリソースのディレクターで、著書に『伴走するマネジメント』)は別人です。検索の際はご注意ください。



