概要
- Payment Advent Calendar 2015 12月12日分です。
- 決済代行会社は世の中にたくさんあります。
- 業者選定時に見落とさないようにするためにもKPIをまとめておきます。
- 決済会社選定の際はこれらのKPIをマトリックスにして評価するのが良いと思います。
KPIベスト10
第1位:経済条件
が一番重要ですね。決済サービスの乗り換えはとても困難です。お互い持ちつ持たれつなので、長期的に良い関係を築けるところとおつきあいしましょう。
利用ブランドによっても金額が変わってきます。
- 決済手数料
- トランザクション手数料
- 初期費用
- 月額費用
- 入金サイクル
- チャージバック手数料
第2位:API提供の可否
自社サービスの特性に合わせて選びましょう。
大きく分けて以下の3種類があります。
- 100%全部マーチャント側でユーザからの決済をproxy
- SPIKE, Stripe, Webpay, PayPalなど
- クレジットカード番号を扱う部分だけはゲートウェイでやり、その他はAPIで行う
- SPIKE, Stripe, Webpayなど
- 全てゲートウェイ側に投げるか
- PayPalなど
第3位:システムの安定性
どの程度安定しているのか、既に導入しているマーチャントに聞くのが良いです。また、障害報を見てみたりするのも良いですが、運用がずさんな所では、障害報を出しません。
また、SLAが用意されているかも確認しておきたい所です。
サービスインしたら、New Relicなどを使って決済ゲートウェイのエンドポイントをしっかり監視しておきましょう。
決済が止まるとたたき起こされるのはエンジニアです。。。
第4位:リカーリング(継続課金)の可否
継続課金を独自で実装するのはかなり大変なので、継続課金をするならば、継続課金機能を利用するのが吉です。
StripeのSubscriptionを見てもわかるとおり、継続課金のパラメータは膨大です。
自社のビジネスロジックに応じたパラメータがあるかを確認しておきましょう。
第5位:ちゃんとしたテスト環境の有無
ずさんなテスト環境を提供してくるところがあったりします。
要点としては、以下を確認します。
– テスト用のマーチャントIDや、カード番号をちゃんと発行しているか?
– 24時間利用可能か?
– 本番と挙動は全く同じか?
Stripeのようなすばらしい環境が用意されているとは限りません。
テスト環境が満足に提供されていない代行会社も多いです。
第6位:APIライブラリの有無
使う言語のライブラリがあるのと無いのでは、実装工数が1週間程度変わってきます。
第7位:トークン決済(リファレンストランザクション)の可否
マーチャント側でクレジットカード番号を保存しないためには、決済ゲートウェイ側でカード番号をトークン化し、マーチャントはそのトークンを使って決済操作を行うようにします。
第8位:管理画面のアクセスのしやすさ、欲しいレポートが出力されるか
たまに、SFTPなどで取りに行かないと行けないゲートウェイなどがあります。
第9位: 決済ステータスのアクティビティ
決済ステータスは普通、5種類ぐらい存在します。
- 仮売上
- 実売上
- 仮売上キャンセル
- 実売上キャンセル
- チャージバック
たまに、ステータスが10個ぐらい存在し、時間経過によって勝手にステータスが変わったりする決済ゲートウェイがあり、そのステータスに応じて呼び出すAPIや操作出来る内容が変わったりする場合があります。
決済ステータスの一覧や、アクティビティ図(状態遷移図)を事前に確認しておきましょう。
第10位:APIのタイムアウト秒数
呼び出し側が最大何秒待たなければいけないかを決めるために必要になります。
決済ゲートウェイのタイムアウトより先に、呼び出し側がタイムアウトと判断してしまうと、呼び出し元では失敗と判断しているが、決済ゲートウェイでは成功と判断してしまう状態に陥ってしまいます。
まとめ
- Shinjuku.rb #31で発表した資料を補足資料として貼り付けてあります。
- 今まで出くわした、決済ゲートウェイの落とし穴や、常識を越えた仕様などが書いてあります。
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